分析の仕事とは
サンプルの分析だけに留まらず、
分析手法の改善提案、導入も手掛ける。
DOWAの分析業務は大きく分けて、金属などを電子顕微鏡で調べる表面分析と化学分析の二種類があり、私が担当しているのは基本的に化学分析のほうです。
秋田センター時代は原料となる鉱石の成分分析や工場から毎日出てくる工程試料の分析などが日常的な業務としてありました。鉱石は、それに含まれる成分が納入元のデータと一致するかを調べるのです。
岡山の西部テクノセンターに異動してからは、研究開発部門からサンプルの分析を依頼されることが多いですね。昨今ですと、燃料電池の組成を分析したり、研究開発で使う原料の不純物の濃度を調べたりですとか、そういうことを日々行っています。
その都度分析対象が異なるので、まずどういう手法で分析するかを検討するところから始めます。塩酸や硝酸などの酸を加えて加熱して溶解して終わりというものもあれば、アルカリ溶融を経て酸で溶かす処理をするなど、サンプルによってケースバイケースです。
このような日常業務と平行して、最新の分析手法の導入などにも携わります。そのひとつが「排水分析の効率化」で、これは私から改善案件として上司に進言しました。これまでサンプルの濃縮処理を行っていたものを、新たな分析機器の導入により濃縮しなくても可能な方法に更新しました。分析方法を変えるというのは、これまでのやり方と結果に違いが出てはならないので、簡単なことではありません。ほんとうに問題ないか、何度も試験を繰り返しデータを録り、導入決定に至ります。