
急激な成長を遂げる中国。
しかし、旺盛な資源需要の一方で、工場排水による河川汚染、輸入された電子廃棄物(E-waste)による環境破壊や健康被害等、経済成長に環境対策が追いついていないのが実態です。
当社は、2003年12月に日系企業として初めて中国に環境リサイクル事業の拠点を構えており、以来約2年半にわたり金属スクラップや廃電子基板等をターゲットとした貴金属リサイクルを展開してまいりました。
現在では、金属スクラップの輸入量だけでも年間推定で2,000万トン以上におよび、世界中のスクラップが集結した巨大なリサイクル市場になっています。
しかし、回収精度が低いため資源が十分回収されないまま廃棄物として放置されたり、回収過程で有害物質を含んだ廃液が環境汚染や健康被害を引き起こしたりするケースが後を絶ちません。

今や、上海、北京といった大都市には、数多くの日系企業や欧米企業がひしめき合っています。これら外資系企業が中国の経済成長に貢献したのも事実ですが、一方で環境破壊にも拍車をかけてしまったことも否めません。
安心して廃棄物処理を任せたい、精度の高いリサイクルを実現させたい―――
こうした企業や行政のニーズに応えるべく、DOWAグループは2003年に中国江蘇省蘇州市に日経企業として始めての環境・リサイクル会社『蘇州同和資源綜合利用有限公司』を設立し、湿式の金属リサイクル事業をスタートさせました。
2005年には、乾式処理プロセス(ロータリーキルン式焼却炉)が完成し、低品位基板等の貴金属リサイクルが可能になりました。このプロセスはダイオキシン等の大気汚染対策設備や排水処理設備を導入しており、環境への負担を最小限にするように配慮しています。
両ラインが揃ったことで、理想的なリサイクル施設に進化しました。操業規模の当初の従業員の約20名体制から、現在約50名体制まで拡大しています。
2004年10月にDOWAの一員になり、5年 半暮らした日本を離れて帰国。中国蘇州で の新しい生活が始まりました。 中国政府は環境保護と資源リサイクル、循 環型社会を振興していますが、環境は他人 事だと思う人もまだ多く、環境ビジネスも決し て簡単ではありません。そんな中で、蘇州同 和は全員の力を合わせて困難を一つ一つク リアし、会社の運営を少しずつ軌道に乗せて きました。今後、中国ではリサイクル企業がま すます重要になると思います。政府をはじめ 公民の環境意識が高まると共に、DOWAのエ コビジネスも更に大きな発展を迎えると信じ ています。
近い将来、中国で回収された再生資源を日本の製錬所で処理することが実現すれば、これまで未回収であった希少金属類や、回収精度が低かった貴金属類が高精度かつ高効率で再資源化できるようになり、鉛、水銀などをより効果的に回収し、環境汚染を防止することも可能です。DOWAグループは、世界有数のリサイクル製錬技術を持つ企業として、また非鉄製錬メーカーとしての使命を果たすべく、各方面と連携しながら、国際資源循環ネットワークのアジア全域における構築に貢献してまいります。
